ソフトウエアのバージョンアップ費用の税務上の取扱(税務調査)
ソフトウエアについては、色々な問題に応えるためにプログラム修正等のバージョンアップがよく行われます。
このプログラム修正等のためのバージョンアップにかかった経費について、経理上、何か気を付けることはあるのでしょうか?
ソフトウエアをバージョンアップする費用が修繕費となる場合
このようなご質問を頂きましたので、今回はプログラム修正等のためのバージョンアップ費用についての税務上(税金の計算上)の取り扱いを記載致します。
法人税の計算では、
この修正などが、
①プログラムの機能上の障害の除去
(バグとりなど)
②現状の効用の維持等
この2点に該当するときは
そのプログラム修正などに
かかった経費は修繕費として
一括で経費となります。
ソフトウエアのバージョンアップ費用を減価償却する場合
一方、そのプログラム修正などが、
・ 新たな機能を追加する、
・ 機能が向上する
といったものに該当するときは、このプログラム修正などの経費は、減価償却といって、期間按分して経費とします。
つまり、一括で経費にはならず、税金の法律上決められた年数で、期間按分して経費とすることとなります。
また、現在あるソフトウエア、購入したパッケージソフトウエアなどの仕様を大幅に変更して、
新たなソフトウエアを製作するための費用も、減価償却によって期間按分して経費にすることになります。
・・・・・・一括経費? 按分経費?・・・・・・・・・・・・・
支払ったときに、全て経費? (修繕費)
期間案分して経費? (資本的支出)
この判断はその支払いによって、
そのソフトウェア本体の価値が増加し、
または使用できる年数が延長するか、
あるいは、その事実はなく維持修繕(壊れた箇所の直し、通常の維持に必要な修正)かで判断します。
このようにプログラム修正等のバージョンアップの内容に応じて、損金(経費)になるタイミングが大きく異なります。
ソフトウエアをバージョンアップする場合の税務調査でのポイント
税務調査では、
支払ったときに経費となっているもので、そのソフトウェア本体の価値が増加し、
または使用できる年数が延長する「期間按分すべき経費」が混じってないかという視点で確認作業が行われます。
仮に支払ったときに経費としたもので、本来按分計算すべきものが見つかると、
税金の計算誤りがあるとして、計算をやり直して<差額の税金の支払いを求められるとともに、
税金が少なくなっていたことの罰金などを支払うことになります。
税務調査でトラブルにならないためにも、
プログラム修正などのバージョンアップに関する支払いは、その内容を吟味して慎重に取り扱いを検討することが重要です。
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最終更新日:平成26年1月25日