ナフサ危機で建設業・建築業の建築資材仕入問題の対応・対策
匠税理士事務所HPへご訪問ありがとうございます。
建設業支援を担当する税理士の水野です。
イラン戦争に伴う中東情勢悪化により、
原油・ナフサの供給が物理・心理的にボトルネックで
ナフサを原料とする建設資材の供給が不安定化し
建設業・建築業の工事に影響が出ています。
そこで今回は建設業・建築業の方に向け実務対策を
材料代替・契約・資金・発注管理に分け解説します。
ナフサ危機で建設業・建築業の影響の全体像
ナフサ危機による建設業の仕入問題は、
単に【 仕入先を増やす 】だけでは不十分です。
塩ビ管・雨樋・防水材・シーリング材・塗料・断熱材や
樹脂系建材などナフサ由来の建材は幅広いため、
建設業・建築業の工事に影響が大きいのも事実。
そのため、多角的な視点を持った対策が必要で、
材料確保・価格転嫁・契約見直し・資金繰り・代替案を
同時並行で進めると効果的です。
まず、最近のナフサ状況・建材価格の影響を確認し
以下の順序でご検討されると効果的です。
【1】影響を受ける建材のリスト化
ナフサは石油化学製品の基礎原料で、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニル、合成ゴムや
樹脂、接着剤、塗料、シーリング材などに影響します。
これらの中で材料の入手が困難なものはどれで
改善の見込みなどをリスト化します。
【2】建築資材の仕入先分散と方針の再編成
まず行うべきは、主要資材ごとの仕入先分散です。
特に塩ビ管・断熱材・防水材・シーリング材など
現場が止まる資材は、一社依存を避けるべきです。
仕入先候補例:既存建材商社、メーカー系販売店や、
地域の管材店、電材店、同業者ネットワーク、ネット系建材販売。
| 順位 | 確認すること |
|---|---|
| 【 1 】 | 納期が確実か |
| 【 2 】 | 代替品の提案力があるか |
| 【 3 】 | 価格改定情報を早く教えてくれるか |
| 【 4 】 | 与信枠・掛取引に対応できるか |
| 【 5 】 | 緊急時に融通が利くか |
【 3 】代替材料の事前準備
「いつもの材料が入らない」事態に備え、
設計・施工・施主説明で使える代替案を用意し、
代替は現場だけで行わず、性能・保証・建築基準や
メーカー仕様を施主承認を受け進めると円滑です。
| 不足気味な材料 | 代替・対応策 |
|---|---|
| 【塩ビ管】 | 規格同等品・在庫品の先行確保 |
| 【雨樋】 | 色・形の変更や、納期優先へ切替 |
| 【シーリング】 | 用途・耐候性を確認し同等品提案 |
| 【防水材】 | 工法やメーカー、納期が短い物へ変更 |
| 【塗料】 | 色番やグレード変更、施工期調整 |
| 【養生等】 | 再可能資材、紙、金属資材へ切替 |
【4】見積書への価格変動条項の挿入
民間工事では契約後の材料高騰を価格転嫁するため
見積書や契約書に価格変動条項を
入れておくことが重要です。
条項を入れれば請求できる訳ではありませんが、
協議出来る余地は残ります。
契約書は重要ですので弁護士の確認を推奨します。
また、公共工事はスライド条項がある事が多いため
資材価格変動時に請負代金の変更を請求できる
「スライド条項」の有無を確認して、
売価の交渉を行うことが重要です。
【5】建築資材の在庫方針決定と分別
すべての資材を大量在庫するのは、
資金繰り悪化や不良在庫化のリスクがあるため、
用途やリスクに応じて在庫方針を分けます。
| 区分 | 方針 |
|---|---|
| 必ず使う汎用品 | 先行発注・一定在庫確保 |
| 現場停止リスクが高い材料 | 早めに確保 |
| 色・仕様が現場で違う物 | 過剰在庫を避ける |
| 劣化・保管が難しい材料 | 必要数量のみ |
| 値上げ幅が大きい材料 | 契約済工事を優先確保 |
【6】原価管理を工事別に見直す
ナフサ由来資材の値上がりで会社全体は黒字でも
個別工事が赤字になることがあります。
工事台帳で以下の管理が重要です。
| 管理項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 当初見積原価 | 契約時点の材料単価 |
| 最新見込原価 | 値上げ後の原価 |
| 発注済金額 | 価格確定済みか |
| 未発注材料 | 今後値上がりリスク |
| 予想粗利 | 当初粗利との差 |
| 追加請求額 | 施主・元請に請求できるか |
今回のような有事の時は、着工前と施工中に
随時粗利を見直すことが重要です。
工事台帳での現場工事別の損益管理はこちら【↓】
【7】施主と元請への早めの説明
材料不足の説明しないと信頼を損ないますので、
早めに説明し、代替案させて頂いた上で、
影響を数字化し売価見直し協議を検討しましょう。
- 対象資材を具体的に伝える
- メーカーの価格改定通知や納期情報を示す
- 代替品・仕様変更案を出す
- 工期・金額への影響を数字で示す
- 書面で合意を残す
A案:当初仕様、B案:同等代替品、C案:納期優先仕様のように選択肢を提示すると判断しやすくなります。
【8】資金繰り対策で安定資金を確保
材料不足により工事停止する事で
人件費が無駄になることは避けたいため、
【モノ】を確保する必要があります。
しかし、材料の先行発注が増えてくると
支払いが先行し、資金繰りが悪化します。
そこで、以下の対策を同時に検討すると効果的です。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 着手金を増やす | 契約時に材料を先にもらう |
| 中間金の設定 | 工程ごとに入金を分ける |
| 支給方法変更 | 元請・施主支給に切り替える |
| 借入枠の確保 | 仕入増加前に金融機関へ相談 |
| 赤字工事停止 | 粗利確保困難な案件は受注停止 |
日本政策金融公庫では、
中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇などに関する特別相談窓口を用意しており、
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こちらは通常より利率が低い事と
返済期間が長いことが特徴です。
仮に金利を3%払っても、売価にのせて売る事が
できれば回収は可能です。
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【 経営環境変化対応資金 】
また、この危機の後は建設・建築価格全体は向上することが予想されるため、
今回安全資金を獲得し乗り切ることで、
将来事業で回収は十分に可能です。
建築資材仕入問題の対応・対策の結論
ナフサ危機への対策は単なる仕入対策ではなく、
契約・見積・原価管理・資金繰り・顧客説明を
一体で見直すことが重要で次の5点が優先事項です。
- 塩ビ・樹脂・防水・塗料など影響資材のリスト化
- 仕入先を複数化する
- 見積書に価格変動条項を入れる
- 工事台帳で未発注材料と予想粗利を管理する
- 材料高騰分を施主へ早めに説明し協議
これらを実行することで、材料が入らない、
【 利益が消える 】、【 資金繰りが詰まる 】という負の連鎖をかなり防げます。
建設・建築ニーズはなくならないため、
この状況を切り抜けた先に残り福が期待できます。
多角的・総合的な視点で乗り切っていきましょう!
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ナフサ危機で建設業・建築業の建築資材仕入問題の対応・対策は2026年5月の内容で記載してます。
ナフサ危機で建設業・建築業の建築資材仕入問題の対応・対策を最後までご覧頂きありがとうございました。
執筆者・文責:税理士 水野智史
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#ナフサ危機建設業
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