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建設業一人親方が知るべき経費範囲・按分処理と調査注意点

目黒区の税理士は匠税理士事務所>執筆者 税理士 水野智史


匠税理士事務所HPへご訪問ありがとうございます。

建設業支援を担当する税理士の水野です。


【 建設業一人親方が知るべき経費範囲や 】
【 按分処理と調査の注意点を説明してほしい。 】

というご要望を頂きましたので、

今回はこちらについて取り上げます。


一人親方の経費計上の注意点

一人親方は、建設業・内装・電気工事・設備工事等で、

【 個人事業主 】として仕事を受ける働き方です。


会社員と違い売上から経費を引いた利益に対し

【 所得税など税金と国民健康保険 】を計算します。


そのため、経費計上で節税につながりますが、

何でも経費にできるわけではありません。


税務調査で経費を否認されないためには、


【1】仕事に直接必要な支出か否か
【2】証拠を残しているかどうか
【3】私用分と区分しているか

という視点を持った経理・確定申告が重要です。


専門分野2.png

一人親方で経費になるかどうかの考え方

所得税の必要経費は、事業収入を得るために

直接必要な費用というのが基本的な考え方です。


必要経費のイメージとは、

【収入を得るため直接要した費用】

【販売費管理費その他業務上の費用】です。


つまり、一人親方の場合の必要経費は、

現場仕事を行うのに必要な材料費、外注費、工具代、

車両費、ガソリン、駐車場代、作業服、通信費となり、


プライベートの生活費は経費になりません。


たとえば、家族旅行、私用の飲食代、趣味の道具や、

【 仕事と関係ない衣類等は経費にできません。】

経費計上の判断に迷う支出は、


【1】その支出がなければ仕事に支障が出るか
【2】売上獲得との関係を説明できるか

で考えると分かりやすくなります。


建設業・建築業の一人親方社長のイメージ画像

材料費・工具代・消耗品費の注意点

一人親方で最も多い経費は、材料費や工具代です。


現場で使う木材、金物、塗料、接着剤、電材、配管部材、ビス、養生は、工事に直接使う経費になります。


インパクトドライバー、丸ノコ、レーザー墨出し器、脚立、腰道具なども業務用で経費対象です。


注意したいのは、金額が大きい工具や機械です。



原則として、10万円未満の減価償却資産については

使用開始した年に、全額必要経費にできますが、


10万円以上の金額が大きい減価償却資産は、

原則、減価償却で複数年で按分し経費化します。

例えば8万の電動工具は消耗品で一括経費しますが、

50万のPCなどは固定資産処理し4年で按分し、
複数年で減価償却で経費化する必要があります。

なお、青色申告の方は少額減価償却資産の特例を

使って節税対策ができるケースもあります。


取得価額が40万(2026年3月末までは30万)未満の

減価償却資産を取得し事業に供した際に

この特例を使えば、一時に経費化できる制度です。

建設業・建築業の道具工具のイメージを画像

車両費・ガソリン代は私用分との区分が重要

一人親方にとって、車は仕事に欠かせないものです。


現場移動、工具材料運搬、取引先と打ち合わせに用し

ガソリン、オイル交換代、車検代、修理代、自動車税、

保険、駐車場代、高速代などがの支出生じ、

原則、これらの支出は、【経費】になります。


ただし、車を私用でも使っている場合には、

全額を経費にするのは危険です。

仕事と私用の両方に関係する支出というのは、

税務上では、【 家事関連費 】として取り扱われ、


業務に必要な部分を明確に区分できる金額だけ

税務上は必要経費になります。


家事関連費については、取引記録などに基づき

業務上、直接必要な事が明らかに区分できる場合、

その区分できる金額のみ必要経費とします。


例えば、平日は現場、休日は家族利用の車であれば、

走行距離や使用日数を基に事業割合を決めます。


【仕事80%、私用20%】など合理的基準を作り、

毎年同じ考えで処理することが重要です。

税務調査では、車両を全額経費にしている場合、

車が仕事専用か使用部分が無いか確認されます。


建設業・建築業の車両のイメージを画像

自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費等の経費

自宅で見積書作成、請求書作成、図面確認、帳簿作成、電話対応などの業務をしている場合には、

自宅一部を事務所として使っていると考えます。

この場合には、家賃や電気代、インターネット代、

電話代などで【 業務利用部分 】を経費にできます。


ただし、ここでも按分が必要です。

【1】家賃なら、仕事に使っている部屋の面積割合、

【2】電気代であれば使用時間や使用スペース、

【3】通信費は仕事利用と私用利用の割合など


上記のような合理的な基準で計算します。


例えば自宅50㎡の5㎡を事務作業専用に使うなら、

家賃の10%を経費にする考え方があります。


注意点は、根拠ない高すぎる割合にしない事です。

家全体を仕事で使う処理は否認リスクが大です。


特に家族と同居している場合、生活スペースまで

事業上の経費に含めることはできません。


飲食代など会議費・交際費は内容記録が必要

元請業者、協力業者、職人仲間との打ち合わせや、

情報交換の飲食代は、事業関係なら経費出来ます。


ただし、単なる友人との食事や家族との外食は、

事業に関係ないため経費になりません。


飲食代を経費にする場合は、領収書だけでなく、


【1】どこの誰といっしょに
【2】何のため、どんな目的で飲食したのか

 をメモしておくことが重要です。


たとえば、

・ 〇工務店の担当者と次回現場の工程打ち合わせ

・ 協力業者と応援依頼の打ち合わせなど

仕事との関連性を説明できるようにしておきます。

税務調査では、飲食代は私的支出と区別が曖昧で、問題になりやすい経費項目です。


【1】毎月同じ店で高額な飲食代が多い

【2】土日祝日の家族利用に見える

【3】人数や相手先が不明・・・・など


経費性を疑われ、経費として否認された場合には、
本来納める税額に追加税額が課せられます

接待交際費や会議費など打ち合わせ飲食費のイメージを画像

作業服・安全用品は経費ですが、普段着は無理

ヘルメット、安全靴、作業着、空調服、防塵マスク、

保護メガネ、墜落制止用器具など作業に必要なものは経費になります。


これらは建設業で安全対策で欠かせないため、

業務との関連性を説明しやすい費用です。


一方、普段着でも使える衣類は注意が必要です。

例えば、ジャケット、ジーンズ、スニーカー等は、

仕事でも着るという理由で、経費化は難しいです。


なぜなら、これらはプライベート転用できるため、

経費性を疑われ、否認されるリスクは残ります。

経費化しやすいのは、現場専用の作業服、安全用品、

会社名や屋号入りのユニフォームなどです。


外注費と給与の区分は税務上特に注意

一人親方が別の職人に応援を頼む場合、

支払いを【外注費】で処理する事があります。


しかし、実態によっては外注費ではなく

給与と判断されることがあります。


例えば、定時に来てもらい作業を細かく指示し、


道具もこちらで用意し、日当で払っている場合は、

雇用に近いと見られる可能性があります。


外注費か給与かの区別で税金だけではなく、社会保険料にも影響してきます。


詳しくはこちらをまとめた下記を参照下さい【↓】

外注費と給与の違い?税務・社会保険の注意点


領収書・請求書・帳簿の保存が必須

経費計上で大切なのは、【 証拠を残す事 】です。


領収書、レシート、請求書、クレジットカード明細や、

銀行振込記録、電子取引データを保存します。


領収書紛失時は、出金伝票等で補う事もありますが、

何でも認められるわけではありません。


特に現金払いが多い一人親方は、

支出の証拠があいまいで注意が必要です。


できるだけ事業口座や事業クレジットカードで、

【 仕事のお金 】【 生活費 】を区別が大切です。


一人親方で経費化のための経理上に必要なきれいな書類保存と整理整頓のイメージ画像

一人親方のインボイス制度と消費税の注意点

一人親方でインボイス発行事業者登録する場合は

消費税の申告・納付が必要になります。


元請から【インボイス登録をしてほしい】と言われ登録した場合、所得税だけでなく、

消費税に対応した帳簿にする経理対応も必要です。


消費税の税額計算では、

【1】売上にかかる預かった消費税

【2】仕入や・経費に関して支払った消費税

【1】から【2】を差し引き計算するのが原則です。


これに対して概算経費率を利用する簡易課税や、

令和8年9月30日までは2割特例、令和8年10月1日以降は3割特例を使える場合もありますが、


どの方法が有利かは売上規模や経費の内容によって変わりますので、注意が必要です。


詳しくはこちらをまとめた下記を参照下さい【↓】

簡易課税・本則課税の有利不利試算による消費税の節税対策


経費を増やすより正しい利益把握が重要

一人親方の経費計上では、

【税金を減らすために経費を増やす】という考えに大きく偏るのは、非常に危険です。


経費を使えば税金は減りますが、資金も減ります。


無理に不要なものを買うより、利益を正しく把握し、
資金を残すことの方が経営上は重要です。

また、経費を過大していると、銀行など金融機関から

融資を受ける際には、利益が少なく見えるため、

返済能力を低く評価されることがあります。


信用金庫、銀行や日本政策金融公庫など金融機関の審査・評価のイメージ画像

建設業許可や法人化を考えている場合にも、

過度な経費計上は不利になることがあります。


【 建設業一人親方の経費で注意する事のまとめ 】

【1】支払い面で大切なのは、仕事と私用の区別

【2】領収書や請求書の保存や按分根拠を残すこと

【3】外注費・車両など否認されやすい項目の注意


これらの正しい経費への対応は、節税だけでなく、

資金繰り、融資、法人化や、建設業許可にもつながる重要な経営への第一歩です。


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一人親方とは?独立開業で一人親方になるには、法人化も解説


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建設業一人親方が知るべき経費範囲・按分処理と調査注意点を最後までご覧頂きありがとうございました。


執筆者・文責:税理士 水野智史


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