入札とは?わかりやすく説明。入札メリット・流れ・落札も解説
匠税理士事務所では、建設業の経営支援に力を入れております。
経営支援の中で建設業の社長様から入札に興味があるので話を聞いてみたいとご相談を頂くことがよくあります。
そこで今回は、建設業の入札や落札など制度とその流れやメリットについて説明します。
入札や落札とは? どういう制度なのかを解説
入札とは、発注者(都道府県や市区町村など自治体)が工事を依頼し、
金額などの諸条件で建設業者間が競り合いをすることで落札者(受注者)を決めることをいいます。
入札とはヤフオクなどオークション(工事受注のためのレース)に参加すること、
落札とは実際にオークションなどで価格面で競り勝ち、
商品を購入(工事を受注に成功)するという方がイメージがわかりやすいかもしれません。
入札には大きく分けて、一般競争と指名競争があります。
一般競争入札とは、全員参加で競い合う最も一般的な形式をいい、
指名競争入札とは、東京都などの都道府県や市区町村などの公共団体である発注者から
過去の実績などを総合的に加味して、お声ががかった一部の建設会社だけで入札するという制度です。
一般競争入札と指名競争入札の違いにつき、このページ最後に別記事にまとめたものがございますので、
そちらからご確認をお願い致します。
入札で建設工事を受注するメリットとは
【 1 元請けになれて、新たな収益源を生み出せる! 】
入札で建設工事を受注するメリットとしては、
公共工事が受注できれば、元請けでの工事となるので、利益が確保できることが挙げられます。
また、民間での工事では、発注者からの依頼であれば今後の付き合いもあるので、
人手不足で忙しいときや、多少採算が悪くても請けないといけないときも出てきますが、
公共工事入札の場合には、都合が悪ければ入札に参加しないなど臨機応変の対応が可能です。
そのため、現在は民間の工事がメインの建設会社でも、
将来の収益源を新たに作るときにとても有効な選択肢となります。

【 2 販売代金の回収不能による倒産リスクが回避できる 】
建設会社の倒産の一番多いケースは、資金繰りに行き詰まることです。
これを誘発するのが、得意先からの販売代金回収不能です。
1億円の工事を請けて粗利率30%の場合で、
完成納品から2か月後に入金されることを見越していたところ、入金がされなかった・・・・
こうなると、材料代・外注費・人件費など70%の原価である7,000万円が先行して支払われていますので
会社としては一気に資金繰りに困ります。
建設業はハイリスク・ハイリターンの仕事ですので、
このようなことはどうしても起こる可能が出てきます。これが業種別分析で建設業の倒産が多い理由の一つです。
事業においてお金は血液です。つまり稼いだ利益・お金を事業に投下し更に稼ぐというのが基本です。
この血流が得意先の倒産などで代金未回収となると、事業活動が停止してしまいます。
これが不渡倒産・連鎖倒産です。建設業は取引額が大きいのでワンミス即アウトという危険性もあります。

しかし、公共工事であれば、どうでしょうか?
東京都の案件で入金されない、これはまず無いでしょう。
このように公共工事の場合には、ノーリスク・ハイリターンも狙うことができます。
【 3 工事実績がつめることによる相乗効果 】
起業したばかり、創業したばかりの時はお客様が少ないのが通常です。
実績が多い会社に、仕事が多く集まるため、
民間工事では起業したばかりでは、不利になるのは事実です。
しかし、入札ではどうでしょうか?
社歴が浅くても、工事規模の小さい工事では大手と工夫次第で十分に渡り合えますし、
公共工事で実績を積むことで、この実績を生かし、
他の民間工事を狙うことも十分に可能になります。
このように公共工事入札に参加するメリットは多くあります。
地元で大手の建設会社、どこから大きな工事を請けているのだろう?
このように思われた方も多いと思いますが、意外に公共工事入札が多いです。
【 大手だから受注できたのではなく、受注できたから大手になった 】と考えると、
取りにいく価値は多いのではないでしょうか。
入札をするには?必要なものとその流れ
入札はおいしそう、自社も挑戦してみたいが、どうしたらいいのか分からない・・・
これが入札の大きな壁に感じますが、意外に薄いです。
まず、
1 どこの公共工事の
2 どんな案件を
3 幾らほどでとりたいか
という基本戦略を設定します。
その際に、ライバル企業はどのレベルになり、
勝てそうなのか?勝てそうところからドンドン取りに行くのが重要です。
この基本戦略を決めると、
後は税理士と行政書士に任せて入札の手続き面は進めてしまうという流れです。
https://nsearch.jp/ などでどんな工事があってどんな会社が受注したか分析も簡単です。
匠税理士事務所の入札サポートサービス
匠税理士事務所には、経営セミナー講師を担当する世界4大事務所出身の税理士が所属しております。
お客様のご要望や将来の展望を伺って、どのような工事を攻めるのが得策かなどにつき、
ランチェスター戦略を軸に販売面のコンサルティング致します。
また、民間工事など既存のお客様との受注とのバランスはどうなのかなど
会計財務面の側面のコンサルティングも行います。
上記で入札の方向性が決まれば、
【 1 】 毎月の経理から決算書と確定申告書を弊所で作成代行致します。
【 2 】 決算届出や経営状況分析などの手続きを建設業専門の行政書士が代行します。
【 3 】 上記を基に経審という経営の審査を受け、この結果を基に入札参加登録を行います。
【 4 】 上記で登録ができれば、経営状況に応じて格付けが付与され、格付けに応じて入札が可能となります。
『 どこの役所のどんな工事を積極的に入札で獲得したいのか 』という基本戦略を
お客様と税理士で打ち合わせをじっくりと話し合いをし、
決算や税務申告・経審など手続きは税理士と行政書士がサポート致します。
最初は低い格付けでスタートしても、どこに向かいたいのか方向を定め、無事実績を積み上げ、
より高い格付け工事に挑戦したいが、どのようにすれば良いかというコンサルティングも可能です。
入札に挑戦してみたいという建設業者様はお気軽にご相談ください。
入札に必須の経営事項審査(経審)についても下記に解説をしております。
また、入札に必要な建設業の許可申請にも行政書士が対応いたしますので、
許可申請についても興味があるという場合もご相談を頂けましたら幸いでございます。
これから建設業で起業をお考えで会社設立や融資をお考えの方はこちらをご確認ください。
☆建設業の許可申請の詳細は、こちらです。
一般競争と指名競争については、下記により詳しくまとめましたので、ご確認ください。
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