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建設業会計と一般企業の会計の違いとは? 特有論点を解説

目黒区の税理士は匠税理士事務所>執筆者 税理士 水野智史


匠税理士事務所HPへご訪問ありがとうございます。

建設業支援を担当する税理士の水野です。


【 建設業会計と一般企業の税務会計の違いを 】
【 分かりやすく説明してほしい。 】

というご相談を頂きましたので、

今回はこちらについて取り上げます。


建設業会計が一般企業の税務会計とどう違うか、

重要な勘定科目や管理ポイントを解説します。


建設業会計と一般企業会計が違う理由とは


建設業や建築業の税務会計は、

一般企業の税務会計とは大きく異なります。


それは、建設業・建築業の下記特徴に起因します。


【1】工事ごとに利益管理が必要

【2】完成までは利益が確定しない

【3】長期間に及ぶ工事が多い


こうした建設業界の独特の特徴があるため、

通常の会計処理では正しい経営判断ができません。


そのため、建設業では【 建設業会計 】という

特殊な会計での管理が必要になります。


この記事では以下を中心に解説します。


【1】建設業会計と一般企業会計の違い

【2】建設業特有の勘定科目

【3】完成工事基準と工事進行基準の違い

【4】工事台帳作成と管理の重要性

【5】建設業で税理士が重要な理由


建設業会計と一般企業の会計の違いイメージ画像

建設業会計とは何か?なぜ特徴があるのか

建設業会計とは、建設業や建築業特有の工事管理に

対応した税務会計のことをいいます。


一般企業では「仕入→販売→売上計上」という

比較的シンプルな流れが多いのに対し、

建設業は以下の長い流れで売上・原価が発生します。


【1】工事契約

【2】着工

【3】材料仕入

【4】外注

【5】工事進行

【6】完成引渡し


工事が数か月〜数年に及ぶことも珍しくないため、

一般企業の会計では利益管理が難しく、

建設業特有の論点が生じてくるのです。



建設業会計と一般企業会計の大きな違い

建設業会計は一般企業の会計と異なり、

売上が計上されるまでに時間がかかる事を加味し、


適正な収益・費用を反映させられるように、

大きく分けて5つの違いがあります。


【1】現場工事別の利益管理が必要


一般企業では会社全体の利益を注視しますが、

建設業では【現場ごとの利益管理】が最重要です。


なぜなら、一工事当たりの金額が大きいため、

工事ごとに管理していないと

大きな利益にも、大きな損失にもなるため、

毎月の利益管理がどうしても必要になるからです。


具体的には、以下の管理が必要になります。

・ 工事台帳での管理
・ 現場別の原価管理
・ 工事別の損益管理

といった【管理】が重要になります。


工事現場別の利益管理のイメージ画像

【2】工事完成・工事進行基準など売上基準


建設業では工事完成まで長期間かかる場合が多く、

以下の特殊な会計基準が適用されます。


完成工事基準とは?

工事完成・引渡しの時点でまとめて売上を計上する方法で原則的な収益計上基準です。


会計税務的にも難易度が高くないため、

中小の建設会社でもっとも多く採用されています。


工事進行基準とは?

工事の進捗に応じて売上を計上する方法です。


例:契約金額1億円で進捗50%なら、

5,000万円を売上計上するというイメージです。


長期大規模工事など上場企業で多く使われますが、

中小企業ではあまり使われません。


【3】未成工事支出金など在庫・棚卸勘定


建設業には未成工事支出金という勘定科目があり、

完成前工事にかかった原価を一時資産計上します。


例:材料費、外注費、労務費などを工事完成まで

【 未成工事支出金=在庫資産 】で処理します。


これは一般企業の棚卸資産に近い考え方です。


一般企業の仕入は、購入してから売上までに

時間がかからないため、在庫金額は少ないですが、


建設業は、工事完了まで半年など長期に及ぶため、

工事が完了し売上が上がるまでの材料や外注費は、

在庫・棚卸となるため、経費にはならず、

売上が計上された時に経費化されます。


そのため、在庫だけで1億の会社も普通にあります。


税務調査では、在庫計上金額と売上検証が行われ、

在庫計上漏れがあると追徴課税を受けるので、

建設業の決算では特に注意が必要です。


建設・建築材料在庫・棚卸のイメージ画像

【4】外注費が大きく関連税金の管理が必要


建設業は外注比率が高く、以下の点に注意が必要。


・外注費と給与の区分

・消費税区分と本則・簡易課税の計算方法の選択

・源泉所得税の徴収の要否


いずれも税務調査で問題になりやすいため、

適切な管理と検証が必要です。


【5】現場工事別に管理する工事台帳が必須


工事台帳は工事ごとの売上・原価・外注費・利益を

管理するために不可欠な帳票です。


工事台帳がないと赤字工事の発見が遅れ

利益率が分からず資金繰りが悪化します。


優良建設会社ほど工事台帳を徹底管理しています。

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現場工事別に損益管理する工事台帳


現場工事別に損益管理する工事台帳の作り方と原価管理方法のイメージ画像

建設業会計で重要な5つのポイント

【1】現場別利益管理

どの現場で利益が出ているか把握する事が重要で、

全体では黒字でも一部現場で大赤字の場合があり、

現場単位での利益管理が必要です。


【2】原価管理

主な原価の項目は以下の通りです。


・材料費

・労務費

・外注費

・経費


特に外注費管理が甘いと利益が大きくブレるため、

月次で随時管理していくことが重要です。


【3】資金繰り管理

着工時に大きな支出が先行することになり、

入金は工事完成・引渡し後になることが多いため、

余裕をもった資金繰りが重要です。

建設業は黒字倒産が起きやすい業種でもあります。


【 対応策と必要な管理例 】

  • ・資金繰り表の作成
  • ・入金予定管理
  • ・手形管理
  • 大型案件時にプロジェクト融資の検討
【4】消費税管理

外注費・材料費は金額が大きいため、

インボイスナンバー確認や経過措置の対応が重要。


消費税は本則課税と簡易関税や3割特例の検討など

計算方式の有利不利選択で節税が可能ですが、


処理を誤ると多額の追徴課税の可能性があるため

消費税の税務申告時には注意が必要です。


【5】建設業許可との関係

建設業会計は一般建設業許可や特定建設業許可、

経営事項審査(経審)と深く関係します。


これらで必要な決算変更届や財務諸表作成では

建設業特有の会計知識が必要不可欠です。


特定建設業許可の資格要件と一般建設業許可との違いのイメージ画像:匠税理士事務所.jpg

4. 建設業に強い税理士が必要な理由

建設業では以下の専門知識が必要になります。


【1】完成基準・工事進行基準の適用判断

【2】未成工事支出金・未成工事受入金の処理

【3】工事別利益管理と経審改善の対策

【4】建設業許可取得と更新対応


建設業に詳しい税理士なら、正しい利益管理ができ、

赤字工事も早いうちに見抜けますし、

節税や経審改善でも効果的な対策がとれるため、

【 建設業専門の税理士 】を選ぶことが重要です。


建設業会計についてのまとめ

建設業会計は一般企業の税務会計とは異なります。

特に重要で特徴的なのは以下5つです。

【1】工事別損益管理が必要

【2】工事台帳の作成と管理

【3】未成工事支出金で在庫を適切に把握

【4】完成工事基準と工事進行基準による収益計上

【5】黒字倒産を防ぐための資金繰り管理


建設業では「売上の大きさ」=【量】よりも

「工事ごとの利益管理」=【質】が重要です。


正しい建設業会計を行うことで、

赤字工事の早期発見、利益率改善、資金繰り安定や、経営改善につながります。


利益体質で強い会社を作るため、

建設業特有の会計と税務を正しく理解し、

現場単位で数字を管理することが不可欠です。


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建設業会計と一般企業の会計の違いとは? 特有論点を解説は2026年5月の内容で記載してます。


建設業会計と一般企業の会計の違いとは? 特有論点を解説を最後までご覧頂きありがとうございました。


執筆者・文責:税理士 水野智史


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